Master Thesis Abstract (in Japanese)
修士論文要旨

P2Pネットワークを用いた動的分散型計算システム

佐藤 琢也
2006年2月

近年,広域ネットワークを通じた大規模な計算システムが注目されている.このような流れの背景には,インターネットの普及,パーソナルユースコンピュータの高性能化,また変わることのない大規模計算機システムの高コストの問題があり,インターネット上に接続された個人のPCを用いて,大規模計算を行うシステムが考案された.このような負荷分散を行うシステムは,グリッドと呼ばれる.近年登場した,この広域グリッドでは,個人のPCを計算資源に用いることにより,非常に安価な超高性能仮装計算機を構築することができる.

またピアツーピア (P2P) という技術もある.これは,従来のようなクライアントサーバシステムとは異なり,ネットワークに接続されたPCを対等の関係で扱うシステムであり,ピア同士がファイルなどの資源を分散して保有することにより,中央のサーバなどが存在しない,動的且つ自律的なネットワークを構築する.

本論文では,将来の計算機ネットワークの先駆けとして,グリッドの負荷分散機能と,ピアツーピアの自律的なネットワーク機能を融合させた,新たな計算システムを提案している.このシステムでは,P2Pネットワーク上に異なる機能を持たせたピア群を結合し,計算の機能と負荷を分散させ,ある種の計算を行わせることができる.すなわち,ネットワークに接続されたPCを計算資源として,動的に計算環境を構築することが可能となる.また,ピアにある種の機能を持たせる際は,動的にその機能が転送されてくるという特徴も持つ.これにより,機能を計算の実行時に動的に配置させることができ,より柔軟な計算システムの構築と,計算ネットワークの再利用といった,資源の効率化も同時に達成することができる.

本研究中では,実際にこのシステムで映像を変換する作業を行わせ,システムの動作を検証し,これらの技術が実現可能であることを示した.


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